選抜の選考枠の話

選抜高校野球は各地域の秋季大会の成績を基にして出場校を決定するが、それぞれの地域によって 枠 が決められており、定期的に議論になったりする

第97回時点での一般枠29の配分は以下の通り

北海道 1
東北 3
関東 4.5
東京 1.5
北信越 2
東海 3
近畿 6
中国 2
四国 2
九州 4

これに神宮枠1と21世紀枠2が加わって32校となる

果たしてこの配分は適切なのか、コロナ以後の第103回~107回選手権の予選出場チーム数を基に何パターンか配分をシミュレーションしてみる

1. 各都道府県に0.5枠+チーム数に比例して0.5枠ずつ配分

96回から東北が3枠になった理由の一つに「2県ごとに1枠を選ぶ」というものがあるため*1、まず各都道府県に0.5枠を配分し、残り4.5枠を学校数に比例して配分*2

なお記念大会の増枠や73回以前との比較も考慮して32枠verも併記する

北海道 1 1.5
東北 3 3
関東 5 6
東京 1 1.5
北信越 2.5 2.5
東海 2.5 3.5
近畿 5 5
中国 2.5 2.5
四国 2 2
九州 4.5 4.5
29 32

29枠は近畿の1枠が中国・九州に移っただけで現行とほぼ同じ

北信越と東海は隣接してるので0.5枠を分け合ってもいいけど中国と九州で分け合うのは気持ち悪いな(下関とかはいいのかもしれないけど)

32枠はさらに0.5枠が増えてカオス

単独の都道府県で枠が与えられている北海道と東京で0.5枠を分け合うのは案外いいかもしれない

1.1 6ブロックに再編して小数点切り捨て

先程は0.5枠が多発してややこしかったので北海道・東北、関東・東京、北信越・東海、近畿、中国・四国、九州の6ブロックで枠を配分し、その枠を各地区ごとに再び割り振ることにする

北海道

東北

4 4

関東

東京

7 8

北信越

東海

5 6
近畿 5 5

中国

四国

4 5
九州 4 4
29 32

これを割り振り直して

北海道 1 1
東北 3 3
関東 5.5 6
東京 1.5 2
北信越 2 2.5
東海 3 3.5
近畿 5 5
中国 2 3
四国 2 2
九州 4 4
29 32

ほぼ今と同じじゃねえか

近畿の1枠がそっくり関東に移動しただけ

記念大会になるとさらに1枠増える

中国地方はもともと5県なうえに広島がそこそこ多いので3枠になる

2. 各地区に1枠+チーム数に比例して0.5枠ずつ配分

今度は都道府県ごとではなく地区ごとに配分する

北海道 2 2
東北 2.5 3
関東 5 5.5
東京 2 2.5
北信越 2.5 2.5
東海 3 3.5
近畿 4.5 5
中国 2.5 2.5
四国 1.5 1.5
九州 3.5 4
29 32

29枠は凸凹してて気持ち悪いが32枠は良い感じ

東北と北信越は隣接してなくもないが…

北海道はベースで1枠与えられているうえに四国よりも多いのでどうしても2枠になってしまう

2.1 6ブロックに割り振ってから再配分

1.1と同様に一度6ブロックに枠を割り振ってから再配分する

北海道

東北

4 5

関東

東京

7 8

北信越

東海

6 6
近畿 5 5

中国

四国

4 4
九州 3 4
29 32

これをチーム数に応じて再配分すると

北海道 1.5 2
東北 2.5 3
関東 5 5.5
東京 2 2.5
北信越 2.5 2.5
東海 3.5 3.5
近畿 5 5
中国 2.5 2.5
四国 1.5 1.5
九州 3 4
29 32

九州3は結構な衝撃だがその他は妥当なところ

中四国は神宮枠がない限り実質2:2だろうなあ

2.2 大阪と兵庫を近畿から独立

そもそも近畿の枠が多いったって事実上大阪と兵庫の枠を増やしたいだけなんだから別枠にしちゃおうと*3

1・1.1は「近畿21/3+大阪11/3+兵庫11/3」になる

北海道 1.5 2
東北 2.5 2.5
関東 5 5
東京 2 2
北信越 2 2.5
東海 3 3.5
近畿 2 2
大阪 2 2
兵庫 2 2
中国 2 2.5
四国 1.5 1.5
九州 3.5 4
29 32

これは近畿が得をしたように見えて京都・滋賀が思い切り割を食ったのでは…?

2.1方式で配分すると(ブロック別は省略)

北海道 1.5 2
東北 2.5 3
関東 5 5
東京 2 2
北信越 2 2.5
東海 3 3.5
近畿 2 2
大阪 2 2
兵庫 2 2
中国 2.5 2.5
四国 1.5 1.5
九州 3 4
29 32

さすがに改めて見ると近畿と大阪・兵庫が同じ2枠というのは違和感

2.3 中国と四国を統合

大阪と兵庫は一旦近畿に戻したうえで、校数も県数も少ない中四国を統合する

北海道 2 2
東北 2.5 3
関東 5 6
東京 2.5 2.5
北信越 2.5 2.5
東海 3 3.5
近畿 5 5.5
中四国 3 3.5
九州 3.5 4.5
29 32

変わらないかと思ったら意外と変わったぞ

6ブロック方式だと

北海道 1.5 2
東北 2.5 3
関東 5 6.5
東京 2 2.5
北信越 2.5 2.5
東海 3.5 3.5
近畿 5 5
中四国 3 3
九州 4 4
29 32

記念大会ヤベえな

9県から3枠の中四国に対してこうなると北海道の不公平感が際立つ

*1:https://mainichi.jp/articles/20230707/k00/00m/050/190000c

*2:ちなみにチーム数は人口ほど偏っていないので議員定数ほど極端なことにはならない

*3:実際軟式野球は単独枠

黒田朝日の話

今回の青山学院大学優勝の原動力は何と言っても5区黒田朝日の爆走

昨年度の区間記録を1分55秒も縮める驚異的なタイムだった

このパフォーマンスを他区間で出したらどれくらいのタイムが出たのか、前回と同じ方法で考察する

steeplechase-fundamental.hatenablog.com

 

このブログお得意の表で一覧で出しても良かったのだが、せっかくなので勿体ぶって1区間ずつ

1区(21.3 km)59分25秒(-1分03秒)

奇しくもヴィンセントの持つ3区の区間記録と同じタイム

青学は1区にエース格は置かないし、黒田も1区って感じの選手ではないのでこの世界線はないと思うが。

2区(23.1 km)1時間03分47秒(-1分22秒)

戦前の予想では有力だった2区

「吉田響のタイムを2分近く更新」と考えれば3分台は有り得るか

裏を返せば2区に投入するならこのタイムを出さなければいけなかったという

3区(21.4 km)59分04秒(-21秒)

8区が更新されたことによりもっとも古い区間記録となった3区

この更新幅に収まるということはそれだけ今の区間記録が早いということ

4区(20.9 km)58分50秒(-1分10秒)

歴史的には63分切り、62分切り、61分切りはいずれも3区より4区の方が先

ちなみに18.5 km時代の区間最下位が大体これくらいのタイム

旧5区(23.2 km)1時間15分42秒(-33秒)

せっかくなので23km時代のタイムでも計算

10年以上前のタイムを参照したので実際には14分台とか出るかも

6区(20.8 km)56分06秒(-41秒)

山下りに投入する訳ないし、タイムもそう縮められたわけでもないし

余談だが山のスペシャリストが作った記録を実力のある選手が一発で大幅更新してしまった例は小野田の記録を更新した舘澤亨次を思い出す

7区(21.3 km)1時間00分34秒(-9秒)

なんとわずか9秒の更新に留まる

ということは佐藤圭汰が万全の状態で3区とか走ったらヴィンセントの記録を更新できたかもしれないのか

8区(21.4 km)1時間02分01秒(-1分44秒)

コース形態的には一番合っている区間

普通に考えたらやべえタイムなのだが全然出せそうな雰囲気がある

9区(23.1 km)1時間05分45秒(-1分30秒)

自身の2区とほぼ同じタイム

ちなみに青学は9区が滅法強く、歴代区間タイム上位3位を独占している

10区(23.0 km)1時間06分24秒(-1分07秒)

原監督って10区に4年生入れないよね

仮に佐藤圭汰がこのタイムで走れていたら駒澤は3着に入れたのだが…

 

最後に2区と5区で想定タイムを出すためのラップと過去の走者のタイムを比較

測定点   75th 三代 85th モグス   96th 相澤 97th ヴィンセント 101st 吉田響 102nd キムタイ    
横浜駅 23:10 23:21 22:56 22:54 23:07 22:42 23:02 23:01 22:38 22:21
権太坂 43:40 44:03 43:18 43:06 43:15 42:47 43:17 43:06 42:32 41:58
戸塚 1:07:00 1:06:46 1:06:04 1:06:00 1:05:57 1:05:49 1:05:43 1:05:09 1:05:00 1:04:00

モグスがほぼ設定どおり、ヴィンセントが前半型、他はみんな後半型

来年以降「権太坂の時点で区間記録とほぼ同じ」という煽り文句を聞くことになるだろうが、真に受けないように

続いて5区

測定点     100th 山本 81st 今井 101st 若林         102nd 黒田  
函嶺洞門 10:33 10:29 10:52   10:36 10:25 10:22 10:18 10:14 10:34 10:10
大平台 22:18 22:09 22:21 22:28 22:12 22:00 21:51 21:43 21:34 21:51 21:25
小涌園 39:29 39:13 38:56 39:14 39:13 38:56 38:40 38:23 38:07 38:13 37:50
芦之湯 54:35 54:11 53:52 53:40 54:06 53:48 53:24 53:01 52:38 52:32 52:14
元箱根 1:03:21 1:02:55 1:02:39   1:02:37 1:02:28 1:02:01 1:01:35 1:01:08 1:00:58 1:00:41
芦ノ湖 1:10:00 1:09:30 1:09:14 1:09:12 1:09:11 1:09:00 1:08:30 1:08:00 1:07:30 1:07:16 1:07:00

黒田は別格として今井正人小涌園前~芦之湯のヤバさよ

ラップ14:26は柏原や神野よりも早い

来年の箱根駅伝は是非この表を見ながらご観戦ください

10時間30分切りの話

第102回箱根駅伝青山学院大学が10時間37分34秒の圧倒的大会新記録で優勝した。

箱根駅伝の優勝タイムとしては史上初の10時間40分切りとなった訳だが、そうなると今度は10時間30分切りを期待してしまうというもの。

ということで本記事では10時間30分切りに必要な各区のタイムを算出する。

導出方法は以下の通り

  • 4区5区が現在の距離になった93回以降の延べ214人のデータを使用*1
  • 各走者の平均速度(つまりタイムの逆数)が正規分布に従うと仮定しプロット
  • 「外れ値」はスミルノフ=グラブス検定に従って除外
  • 各区の合計タイムが10:29:59になるようなσを求める

ということで結果がコチラ(σ=2.3623)

  区間距離 区間タイム 歴代順位
1区 21.3 km 1:00:15 -13秒
2区 23.1 km 1:04:51 -18秒
3区 21.4 km 1:00:08 3位タイ
4区 20.9 km 0:59:56 -4秒
5区 20.8 km 1:08:46 2位相当
往路 107.5 km 5:13:56  
6区 20.8 km 0:56:58 4位相当
7区 21.3 km 1:01:32 3位相当
8区 21.4 km 1:03:03 -42秒
9区 23.1 km 1:06:57 -18秒
10区 23.0 km 1:07:33 2位相当
復路 109.6 km 5:16:03  
総合 217.1 km 10:29:59  

8区が異常だが、この区間は上位に記録が団子な割に全体のばらつきが大きいためこのような値が出る

この29年間で区間記録が20秒しか更新されていないなど特殊な区間

大会記録はおおよそ「10年で10分」のペースで更新されているので、30分切りは110回に間に合うかどうか

農林水産省賞典の話

何かとホットな農林水産省の話

 

中央競馬の重賞には「農林水産省賞典」と付くものが14つ(主場は2つずつ、ローカルが1つずつ)あるが果たして全部言えるだろうか?

原則として天皇賞・クラシック・社杯・交換競走以外で最も歴史のある重賞が指定されている

 

札幌 北海道3歳S(1966-82)→札幌3歳S(1983-2000)→札幌2歳S(2001-)

札幌記念ではない。ちなみに札幌記念の方が創設は1年早い。

函館 函館記念(1966-)

福島 福島記念(1966-)

ローカルの中では唯一秋の重賞

新潟 新潟記念(1966-)

中山 中山グランドジャンプ(1999-)

1999年中山大障害が年1回施行になったことにより指定

14重賞の中で圧倒的に歴史が浅い

中山大障害・春秋(1935-98)→中山大障害(1999-)

中山記念だと思う人もいるかもしれないが*1こちらの方が2年ほど古い

東京 目黒記念・春秋(1959-83)→目黒記念(1984-)

農林水産省賞典と言えばこれを思い浮かべる人の方が多いのではないか?言わずと知れた日本最古の重賞

安田記念(1984-)

目黒記念が年1回施行になったことにより指定

ちなみに14重賞のうち唯一地名が入っていない

中京 愛知盃(1966-69)→愛知杯(1970-)

(父)限定の2000mから牝馬限定の1400mになった重賞

創設は中京記念の方が早い。金鯱賞愛知杯の翌年

施行場変更ではなくわざわざ京都牝馬Sを廃止して小倉牝馬Sを創設したのは愛知杯農林水産省賞典だから

京都 京都記念・春秋(1959-83)→京都記念(1984-)

京都大賞典(1984-)

京都記念が年1回施行になったことにより指定

めっちゃ歴史がありそうに見えて実は創設は1966年ときさらぎ賞スワンSよりも後

あと「農林水産省賞典 京都大賞典」と被っている*2

阪神 鳴尾記念(1955-)

1800mになったり2000mになったり、6月になったり12月になったり、別定になったりハンデになったり、GIIになったりGIIIになったり、歴史はあるのに施行条件が全く定まらない不遇な重賞

阪神 阪神3歳S(1959-90)→阪神3歳牝馬S(1991-2000)→阪神ジュベナイルF(2001)

鳴尾記念が年1回施行になったことにより指定…ではない。そもそも鳴尾記念が年2回だった時期はとてもとても短い

実は桜花賞鳴尾記念に次いで歴史の長い重賞。ちなみにその次はなんと朝日チャレンジCだったりする

小倉 小倉記念(1966-)

 

このうち他の正賞も与えられるのは

札幌2歳Sが北海道知事賞*3

函館記念函館市長賞

福島記念福島県知事賞*4

愛知杯が愛知県知事賞

あとはGI競走には連合会会長賞が贈られる

*1:このブログ見に来る人には居ないか

*2:東京大賞典もそう

*3:札幌記念は札幌市長賞

*4:何故か七夕賞福島県知事賞

入障時期の話

中山グランドジャンプはエコロデュエルが優勝

4歳から重賞戦線で活躍していた馬が6歳にして悲願の戴冠

 

というわけで、今回私が持ってきた説はコチラ

障害でGI獲るような馬、早くから入障してる説

TARGETで記録の残る86年以降のJ・GI馬と旧・中山大障害勝ち馬47頭を対象に入障時期を調査した

調査結果がこちら

ポワソン分布か!と言いたくなるほどきれいな分布

ちなみに唯一の7歳デビューはノーザンレインボー*1

 

さらに細かい時期を見ていくと

3歳秋は未勝利戦が終わる時期だからかマイネルグロン・シングンマイケル・オジュウチョウサンあたりが該当

かと思えばマルカラスカルのように平地準OP馬*2もいたりする

ちなみに入障から初GI制覇までの最速記録はテイエムドラゴンの中7週

反対に最長記録はマイネルネオスの4年半*3

 

比較として過去3年間に未勝利戦に出走した馬の入障時期は以下の通り

GI馬に比べると1年近く遅い

 

障害馬は息が長いイメージがあるがやはり平均的なピークは5~6歳頃

障害の素質馬を見抜くにはデビュー時期を見てみてみてもいいかもしれない

*1:85年以前を含めても唯一

*2:降級前

*3:ただし入障した後に平地を使っていた期間が2年ほどあり

タイム推移の話

昨年の清秋JSで中山3210mのレコードが約15年ぶりに更新されたが、障害ではえらく古いレコードがそのまま残っていることがままある

steeplechase-fundamental.hatenablog.com

今回の記事ではそもそも時計の水準が上がっているのかどうかを比較してみた

比較方法は未勝利戦のタイムを現在のコースが使われ始めた年の平均タイムを100として各年の平均を出した(数字が大きい方が速い)

参考として芝・ダートそれぞれの新馬・未勝利でよく使われているコース2つずつの推移も載せる

 

まずは東京

現在の未勝利戦・直線ダ3000mは改修後の2003年4月から

SはShougaiではなくSteeplechaseの略です、念のため。

障害はレース数が少ない(特に14年以降)のでブレるのは致し方ないとは言え、見事な右肩下がり

あと芝よりダートの方が高いのも意外

 

続いて障害の総本山・中山

40年以上コース改修のない中山だが、現在の直線ダ2880mが使われ始めたのは意外と最近で2002年秋から

こちらは東京とちがってほぼ横ばい

それより数年前まで芝もほぼ横ばいなのが驚き

 

お次は京都

現在の直線ダ2910mが使われ出したのは1994年11月だが94年は1開催・3レースしかなかったので翌95年を基準にした

大改修の影響で21・22年はデータなし

東京に続いて見事な右下がりっぷり

改修の前後で芝とダートが逆転してるのも面白い

 

最後は阪神

現在の直線ダ2970mは改修後の06年12月以降だが、京都と同様の理由で07年を基準とする

24年は障害が2レースしかなく、外れ値を示したので除外した

東京・京都ほどではないにしろ、右肩下がり傾向

というか芝・ダート含め全体的に横ばい傾向

これ、あれか基準が一番最近だからかな

 

総括としては中山を除き、障害未勝利戦のタイムは遅くなっている傾向が見られた

ローカル主体に移行してから固定障害の主場はスピードがない馬が使われる傾向があるのかな?

優勝決定戦の公平性の話

現在の大相撲では本割の結果同点者が出た場合は優勝決定戦を行うことになっている

2人の場合は当然、一発勝負の直接対決で決める

4人や8人等、2n人の場合は単純トーナメントを行う

3人の場合はご存じの方もいるかと思うが、「巴戦」と呼ばれる方式で決める

巴戦の方式を説明すると、

  1. 3人がそれぞれ「東」「西」「○」と書かれた籤を引く
  2. 「東」と「西」で対戦を行う
  3. 2.で勝った方(仮に「東」が勝ったとする)と「○」が対戦する
    ここで「東」が勝てば「東」が優勝、「○」が勝った場合は4.へ
  4. 「○」と今度は「西」が対戦する
    「○」が勝てば「○」が優勝、「西」が勝った場合はまた「東」と対戦、以下2.に戻る

という形式である

実は巴戦の勝率は1:1:1ではなく5:5:4で「○」が不利となる

2016年の東大入試にも出された有名な問題で解説記事もたくさん有るので興味のある人は証明してみてください

以下、この記事ではそれを

このように表現する

で、今回のメイントピックは巴戦の不公平性の話ではない

問題は5人や9人の場合である

5人の場合、

  1. 5人がそれぞれ「東1」「東2」「西1」「西2」「○」と書かれた籤を引く
  2. 「東1」と「西1」、「東2」と「西2」でそれぞれ対戦を行う
  3. 2.で勝った2人と「○」で再度籤を引き巴戦を行う
    以下、3人の場合と同じ

字面にするとわかりにくいが先ほどと同様の図で表すと以下のようになる

or

前者の場合最大で2.5倍の差が付くことになる

後者の場合はまた別の問題があって、1回戦組は1回戦+巴戦の1番でからの3戦目*1、「○」を引いた力士は1戦目と疲労の観点からも非常に有利不利が大きい(そもそも大相撲は1日に何番も取ることがほぼない)

9人の場合はさらに、

  1. 9人が「東1」~「東4」、「西1」~「西4」「○」と書かれた籤を引く
  2. 「東1」と「西1」~「東4」と「西4」でそれぞれ対戦を行う
  3. 2.で勝った4人と「○」で再度籤を引く
    以下、5人の場合と同じ

ざっくり言うと9人→5人→3人と絞っていく訳ですね

これも図にすると

こんな感じだがヒキによっては、

こうなる可能性もある

そんなこと滅多に起こらないでしょと思うかもしれないが、1回戦で「○」を引いた力士*2が2回戦(5人)でも「○」を引く確率なので5回に1回はスーパーシードが発生しうる

9人の決定戦自体も意外と多く幕下以下で過去10度の前例*3がある

 

というわけで、なるべく公平な優勝決定戦の方式を検討してみよう

条件は以下の通り

  • 最も優勝確率の高い力士と最も低い力士の比が2倍未満になるようにする*4
  • 巴戦を行うのは1回だけ*5

まず3人、4人は従来通り

 

6人と8人もそのまま

 

さてここからが本題

5人の改良案がコチラ

格差が1.75倍に収まるし最後が直接対決なので「勝った方が優勝」というわかりやすさもある

7人はちょっと捻ってこうなる

9人は5人とほぼ同じで

10人は一度5人にする

11人は……できない

奇数人なので1回戦で巴戦を行うのだが、そうすると2回戦が8÷2+1=5人or8÷4+1=3人になってしまい、もう1回巴戦を行う必要が出て来る

巴戦2回を許した場合の11人の例

一般化すると2n人 or 2n±2m*6のとき今回の方式が採用できる

具体的には20人以内だと他に13人と19人が実現不可能

現実には考えにくいが20人以上になるとむしろ組める方が珍しくなる*7

11人以上は単純トーナメントにした方が簡潔でいいのかな

いや、そもそも9人もトーナメントで良いのでは?

 

―追記―

いやあ初場所が本当に巴戦になるとは

そしてさらっと流した巴戦2回パターンだが13人や19人だと格差が2倍超になるパターンが出て来る

 

となると結局単純トーナメントにする他ないのか

*1:幕内や十両の場合、本割も含めたら4戦目

*2:9人中誰か1人が必ず引く

*3:幕下で6度、三段目と序二段で各2度、幕下は人数の関係で出やすい

*4:そもそも単純なトーナメント形式にすれば2倍以内になる

*5:取組数を均衡化するためと、巴戦は時間がかかるので進行上の理由

*6:nmn自然数mは0以上の整数

*7:20, 24, 28の順、30~34人は可能