タイム推移の話

昨年の清秋JSで中山3210mのレコードが約15年ぶりに更新されたが、障害ではえらく古いレコードがそのまま残っていることがままある

steeplechase-fundamental.hatenablog.com

今回の記事ではそもそも時計の水準が上がっているのかどうかを比較してみた

比較方法は未勝利戦のタイムを現在のコースが使われ始めた年の平均タイムを100として各年の平均を出した(数字が大きい方が速い)

参考として芝・ダートそれぞれの新馬・未勝利でよく使われているコース2つずつの推移も載せる

 

まずは東京

現在の未勝利戦・直線ダ3000mは改修後の2003年4月から

SはShougaiではなくSteeplechaseの略です、念のため。

障害はレース数が少ない(特に14年以降)のでブレるのは致し方ないとは言え、見事な右肩下がり

あと芝よりダートの方が高いのも意外

 

続いて障害の総本山・中山

40年以上コース改修のない中山だが、現在の直線ダ2880mが使われ始めたのは意外と最近で2002年秋から

こちらは東京とちがってほぼ横ばい

それより数年前まで芝もほぼ横ばいなのが驚き

 

お次は京都

現在の直線ダ2910mが使われ出したのは1994年11月だが94年は1開催・3レースしかなかったので翌95年を基準にした

大改修の影響で21・22年はデータなし

東京に続いて見事な右下がりっぷり

改修の前後で芝とダートが逆転してるのも面白い

 

最後は阪神

現在の直線ダ2970mは改修後の06年12月以降だが、京都と同様の理由で07年を基準とする

24年は障害が2レースしかなく、外れ値を示したので除外した

東京・京都ほどではないにしろ、右肩下がり傾向

というか芝・ダート含め全体的に横ばい傾向

これ、あれか基準が一番最近だからかな

 

総括としては中山を除き、障害未勝利戦のタイムは遅くなっている傾向が見られた

ローカル主体に移行してから固定障害の主場はスピードがない馬が使われる傾向があるのかな?

優勝決定戦の公平性の話

現在の大相撲では本割の結果同点者が出た場合は優勝決定戦を行うことになっている

2人の場合は当然、一発勝負の直接対決で決める

4人や8人等、2n人の場合は単純トーナメントを行う

3人の場合はご存じの方もいるかと思うが、「巴戦」と呼ばれる方式で決める

巴戦の方式を説明すると、

  1. 3人がそれぞれ「東」「西」「○」と書かれた籤を引く
  2. 「東」と「西」で対戦を行う
  3. 2.で勝った方(仮に「東」が勝ったとする)と「○」が対戦する
    ここで「東」が勝てば「東」が優勝、「○」が勝った場合は4.へ
  4. 「○」と今度は「西」が対戦する
    「○」が勝てば「○」が優勝、「西」が勝った場合はまた「東」と対戦、以下2.に戻る

という形式である

実は巴戦の勝率は1:1:1ではなく5:5:4で「○」が不利となる

2016年の東大入試にも出された有名な問題で解説記事もたくさん有るので興味のある人は証明してみてください

以下、この記事ではそれを

このように表現する

で、今回のメイントピックは巴戦の不公平性の話ではない

問題は5人や9人の場合である

5人の場合、

  1. 5人がそれぞれ「東1」「東2」「西1」「西2」「○」と書かれた籤を引く
  2. 「東1」と「西1」、「東2」と「西2」でそれぞれ対戦を行う
  3. 2.で勝った2人と「○」で再度籤を引き巴戦を行う
    以下、3人の場合と同じ

字面にするとわかりにくいが先ほどと同様の図で表すと以下のようになる

or

前者の場合最大で2.5倍の差が付くことになる

後者の場合はまた別の問題があって、1回戦組は1回戦+巴戦の1番でからの3戦目*1、「○」を引いた力士は1戦目と疲労の観点からも非常に有利不利が大きい(そもそも大相撲は1日に何番も取ることがほぼない)

9人の場合はさらに、

  1. 9人が「東1」~「東4」、「西1」~「西4」「○」と書かれた籤を引く
  2. 「東1」と「西1」~「東4」と「西4」でそれぞれ対戦を行う
  3. 2.で勝った4人と「○」で再度籤を引く
    以下、5人の場合と同じ

ざっくり言うと9人→5人→3人と絞っていく訳ですね

これも図にすると

こんな感じだがヒキによっては、

こうなる可能性もある

そんなこと滅多に起こらないでしょと思うかもしれないが、1回戦で「○」を引いた力士*2が2回戦(5人)でも「○」を引く確率なので5回に1回はスーパーシードが発生しうる

9人の決定戦自体も意外と多く幕下以下で過去10度の前例*3がある

 

というわけで、なるべく公平な優勝決定戦の方式を検討してみよう

条件は以下の通り

  • 最も優勝確率の高い力士と最も低い力士の比が2倍未満になるようにする*4
  • 巴戦を行うのは1回だけ*5

まず3人、4人は従来通り

 

6人と8人もそのまま

 

さてここからが本題

5人の改良案がコチラ

格差が1.75倍に収まるし最後が直接対決なので「勝った方が優勝」というわかりやすさもある

7人はちょっと捻ってこうなる

9人は5人とほぼ同じで

10人は一度5人にする

11人は……できない

奇数人なので1回戦で巴戦を行うのだが、そうすると2回戦が8÷2+1=5人or8÷4+1=3人になってしまい、もう1回巴戦を行う必要が出て来る

巴戦2回を許した場合の11人の例

一般化すると2n人 or 2n±2m人*6のとき今回の方式が採用できる

具体的には20人以内だと他に13人と19人が実現不可能

現実には考えにくいが20人以上になるとむしろ組める方が珍しくなる*7

11人以上は単純トーナメントにした方が簡潔でいいのかな

いや、そもそも9人もトーナメントで良いのでは?

 

―追記―

いやあ初場所が本当に巴戦になるとは

そしてさらっと流した巴戦2回パターンだが13人や19人だと格差が2倍超になるパターンが出て来る

 

となると結局単純トーナメントにする他ないのか

*1:幕内や十両の場合、本割も含めたら4戦目

*2:9人中誰か1人が必ず引く

*3:幕下で6度、三段目と序二段で各2度、幕下は人数の関係で出やすい

*4:そもそも単純なトーナメント形式にすれば2倍以内になる

*5:取組数を均衡化するためと、巴戦は時間がかかるので進行上の理由

*6:n>m、nは自然数、mは0以上の整数

*7:20, 24, 28の順、30~34人は可能

【令和最新版】ローカル開催とかの話

毎年何故か年末年始に更新することの多いこのブログ*1

先日JRAから障害競走の一部を主場に戻すとリリースがあった

ということで平成26年から続いてきた障害の第三場開催も一区切りついたこのタイミングで11年間のデータを振り返ってみよう

以下、特に断りがない限り未勝利戦のみの集計

まずはレース数と出走頭数から

  総レース数 総出走頭数 平均頭数
福島 172 2125 12.35
新潟 200 2545 12.73
東京 62 773 12.47
中山 85 1035 12.18
中京 134 1752 13.07
京都 52 639 12.29
阪神 103 1123 10.90
小倉 117 1224 10.46

京都が少ないのはご存じの通り2年以上の休止期間があるから

東京より中山が多いのは金杯週や高松宮記念の翌週のように2場開催の日数が多いから

小倉の頭数が少ないのは単純にフルゲート頭数が少ないから

阪神の頭数が少ないのは障害馬の少ない6月~9月の施行が多かったからかな?

あと明らかに右回りより左回りの出走頭数が多いのも面白い

 

続いて競走中止のデータ

  中止頭数 発生レース数 中止率 平均頭数 レース/レース
福島 151 93 7.1% 0.88 0.54
新潟 87 71 3.4% 0.44 0.36
東京 44 31 5.7% 0.71 0.50
中山 66 43 6.4% 0.78 0.51
中京 76 57 4.3% 0.57 0.43
京都 46 30 7.2% 0.88 0.58
阪神 63 50 5.6% 0.61 0.49
小倉 53 44 4.3% 0.45 0.38

数年前のうっすい集計に比べるとだいぶ競馬場ごとの傾向が出ている

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件数では福島がブッチ切りのトップ、率では福島と僅差ながら京都が1位という結果に

しかし統一的な傾向が見えないのが不思議なもので、置き障害のコースが少ないのかと思いきや小倉も少ないし、襷以外は置き障害の福島は多い

小倉は多頭数が少ないからか、と思ったが阪神は普通に多いしなあ

京都が多いので障害の台数に比例するのかと思いきや、台数の少ない中山や福島も多い

ただ京都は他場に比べて集計期間の母数が少ないので何とも*2

 

いずれにせよ福島が多く、新潟や中京が少ないのは確かで、たまに「福島競馬場は大改修が入って襷コースは廃止される」という噂話が流れて来るが、真偽はともかくこれを見るとやむを得ないのかなとも思っちゃうよね

*1:単純にまとまった時間があるからとか、中山大障害の結果が出てからとか、今回みたいに年度末で区切りがいいからとか理由はいろいろ

*2:休止期間を挟んだので慣れてない人馬が多かったのかと思いきや、休止前の方が多かった

代替開催の話

長きにわたる京都競馬場の改修も終わりやっと通常開催に戻ったと思ってたところで今度は阪神競馬場が改築工事とのこと

春はどうなるかわからないが秋開催が中京→京都→京都→京都になるのは濃厚なので令和6年の阪神JSも中京になりそう

そもそも関西がこんな思い切った工事日程を組めるのは 京都・阪神・中京の互換性が高いから

  京都 阪神 中京
芝1200 ○ ○ ○
芝1400 ○ ○ ○
芝1600 ○ ○ ○
芝1800 ○ ○ ×
芝2000 ○ ○ ○
芝2200 ○ ○ ○
芝2400 ○ ○ ×
芝3000 ○ ○ ○
芝3200 ○ ○ ×
ダ1200 ○ ○ ○
ダ1400 ○ ○ ○
ダ1800 ○ ○ ○
ダ1900 ○ △*1 ○

中京に芝1800がないのがちょこっと痛いが大抵のレースは代替できる

(なぜならそのように阪神と中京を改修したから)

さらに遠いうえに距離設定は少ないものの小倉がオールシーズン使えるのもデカい

 

翻って東はどうだろうか

  東京 中山 新潟
芝1000 × × ○
芝1200 × ○ ○
芝1400 ○ × ○
芝1600 ○ ○ ○
芝1800 ○ ○ ○
芝2000 ○ ○ ○
芝2200 × ○ ○
芝2400 ○ × ○
芝2500 ○ ○ △*2
芝3200 △*3 ○ ○
ダ1200 △*4 ○ ○
ダ1400 ○ × ×
ダ1800 △*5 ○ ○

一部どうでもいいとこはありつつ芝1200や芝2400のような結構致命的なところに×が入っている

しかし東のヤバいところはこれに留まらない

・中京・小倉と違い新潟・福島は12月~3月まで使用できない

 ・さらに新潟は野芝なのでハードな開催に耐えられない

・「日本ダービーは東京」「有馬記念は中山」という不文律がある

 ・さらに有馬記念はフルゲートの関係でAコース限定

等々西とは比べ物にならないほどの縛りプレイ

しかしなんでJRAの競馬場はこうも夏暑くて冬雪降るとこばっかりなんでしょうかねえ

 

そしてもう一つ 地味~に厄介なのが中山グランドジャンプの存在である

1934年の旧中山大障害創設以来他の競馬場で施行されたのは昭和63年春のわずかに1度だけ

その間皐月賞が東京で行われたことはそこそこあるわけでその場合中山大障害(春)はどうしてたかというと

皐月賞が東京で行われた年 代替の理由 中山大障害(春)の処遇
昭和31年 馬場改修工事 開催無し
昭和38年 ストの影響で順延 通常通り
昭和39年 スタンド改築工事 4週前倒しで実施
昭和49年 ストの影響で順延 通常通り
昭和51年 ストの影響で順延 通常通り
昭和63年 スタンド改築工事 東京4,000 mで代替開催
平成23年 東日本大震災 7月に施行

いやスト多いな*6

その他は時期変更が2回、開催無しが1回、代替が1回

これを見ても優先度は有馬記念>中山大障害>皐月賞ということがわかる

こっからはもし中山で改修工事をすることになった場合 中山グランドジャンプをどうするのかを具体的に考えていこう…と思ったけど長くなるので別記事に

*1:ダ2000

*2:2600

*3:3400

*4:ダ1300

*5:ダ1600

*6:丁度春闘の時期だからだそう

【結果発表篇】「オジュウチョウサン ベストレース グランプリ」の話

ラストランの記憶も忘れつつあるこのタイミングで結果発表!

忘れてたというか気が乗らなかったというか

それでは早速10位から発表

 

第10位 絶対王者の新たなる挑戦

平成30年 開成山特別

夏競馬の土曜日の9レース・平地未勝利の7歳馬に日本中の注目が集まったレースは恐らく後にも先にもこの1回だけだろう

「どの馬が勝つか」ではなく「ある馬が勝てるかどうか」に焦点が当たるという意味ではオルフェの凱旋門賞に近いのかな

 

第9位 オジュウチョウサンが、また、ライバルを突き放した

令和2年 阪神スプリングジャンプ

前年の最優秀障害馬・シングンマイケル、障害5戦4勝とメキメキと力を付けてきた新星・トラスト

しかし終わってみればこれらの挑戦者たちを嘲笑うかのようにラスト200で突き放してレコード勝ち

惜しむらくは緊急事態宣言真っただ中だったため、現地で観られた人が皆無なこと

 

第8位 マッチレースを制したのは

平成31年 中山グランドジャンプ

盟友アップトゥデイトが不在となり2番手以下が混戦となった中山GJ

その状況を表すかのようにニホンピロバロン・マイネルプロンプト・タイセイドリーム・シンキングダンサーといった実力馬たちが次から次へと絡んでくるも最後は全馬を振り切って同レース4連覇を決めた

この辺から圧倒的な勝ち方よりも堅実にキッチリ勝っていくスタイルにシフトしていく

 

第7位 夢を乗せたグランプリ

平成30年 有馬記念

平成最後のグランプリレース最大の注目は1頭の条件馬だった――

約半年かけた平地挑戦の集大成

大敗も十分に考えられるところだったが、結果はコンマ8秒差の9着と大いに善戦したと言えるだろう

ここがオジュウフィーバーのピークだっただけに翌年の平地挑戦は正直余計だったなあと後から思わざるを得ない

 

第6位 しかし王者は違う!

平成29年 東京ハイジャンプ

同年中山GJ後に剥離骨折が判明し復帰戦となったこのレース

タマモプラネットと小坂が軽快に飛ばし、馬場もあってさすがにこれは差し切れないか…?と思ったところからの逆に2着に2.0秒差の圧勝劇

秋華賞の裏ということもありまあまあ人が入っていた東京競馬場がどよめいた記憶がある

この水色と赤の勝負服の芦毛の馬が大逃げする光景を我々は2か月後また目撃することとなる…

あとこの辺から直アナのポエムが鼻に付き始めるようになる

 

第5位 無人のライバル馬

平成28年 東京ハイジャンプ

まだ「絶対王者」ではなく1頭のGI馬であった頃のお話

2台目の障害でラグジードライブ高野和馬が落馬したところから事件は始まる

60キロの負担重量がなくなったラグジードライブは徐々に番手を上げていき、逃げるマキオボーラーとぺったり並走する

仕方なくオジュウチョウサン石神は空馬の外から捲ろうとするが、当然制御の利かないラグジードライブは思い切り外に膨れてオジュウチョウサンも外に追いやられる

結局最後は空馬と併走しながらマキオボーラーを差し切り見事1着でゴールイン

というか今見直したら最後空馬に先着許してたのね

直也アナが「空馬にからま$%&、絡まれながらも」と思い切り噛んだところが個人的なツボ

 

第4位 4:43.0の衝撃

平成30年 中山グランドジャンプ

前年の大障害で大熱戦を演じたアップトゥデイト

引退を公言していた林騎手とのコンビはラストラン、阪神スプリングJ圧勝したアップトゥデイトに対しオジュウチョウサンは直行ローテ、大障害と違い直線に障害のあるコースは逃げ馬に有利に働く等々の理由から雪辱を果たすならここしかないと思われていた

しかしゲートが開くとオジュウチョウサンはハイペースで逃げているはずのアップトゥデイトをぴったりマークする

クランモンタナとマイネルクロップという平地重賞を勝っている芦毛2頭が絡んできたのもアップトゥデイトには不幸だった

結局残り600でオジュウチョウサンが先頭に立つと後は突き放していくだけ

従来のレコードを3.6秒更新する異次元のタイムで圧勝

この年の最優秀障害馬をこのレースとネームバリューのみで受賞した

最後4コーナーでカラスが飛んでいくところが無駄に格好いい

 

第3位 新たな境地へ

令和4年 中山グランドジャンプ

前年の大障害で復活Vを遂げると前走の阪神SJで敗れたエイシンクリックが居ないことなどもありGIでは2年ぶりの1番人気に支持された

さてレースは終始好位で進めるも残り800で一度下がっていき厳しいか…と思われたところから捲り、最後はブラゾンダムールとの追い比べを制してGI9勝目

丁寧めの飛越から最後に追い比べを制して勝つというパターンは、粗い(荒い?)飛越から並ぶ間もなくサッとかわすという全盛期のスタイルからは考えられなかった勝ち方で、11歳にして新たな境地を見せる結果となった

まあこれが最後の勝利だったんですけどね

 

第2位 帰って来た絶対王者

令和3年 中山大障害

前年の京都JSで障害4年半ぶりの敗戦を喫し、大障害回避からのぶっつけ中山GJは新王者メイショウダッサイの前に5着

秋緒戦東京HJでも前2頭を捕らえられず3着と正直かつての強さは見られず衰えを隠せなくなってきたオジュウチョウサン

この中山大障害でも3.3倍の2番人気に甘んじ、それでも過剰人気感が出ていた

レースは終始2,3番手で進めると、この馬にしては珍しく向正面で先頭に立ちそのまま伏兵ブラゾンダムールを振り切ってゴール

スペシャルウィークの天皇賞やその娘ブエナビスタのジャパンCを彷彿とさせる実に1年8か月ぶりの復活劇であった

恐らく勝因はさしたる逃げ馬がおらず結構なスローペースになったこととスピードの衰えを自覚して早めに先頭に立って押し切るスタイルを選んだこと

同年や翌年の東京HJのようにハイペースの消耗合戦になったらさすがに厳しかった

 

第1位 世紀のデッドヒート

平成29年 中山大障害

前年の中山GJでGI初制覇を果たしてから目下障害重賞7連勝中

剝離骨折明けの不安もあった前走東京HJも2.0秒差の圧勝

最大のライバルアップトゥデイトとの格付けも済んだ感も正直否めず

もはやファンは「何が勝つか」ではなく「オジュウチョウサンがどういう勝ち方をするか」に注目していた

それを象徴するかのように新聞には軒並み◉が並び、前日発売では2番人気以下がカンストするという珍事も起きた

40,000人超というスプリンターズS並みの人数が見守るなかスタートしたレースは水濠の手前で先頭に立ったアップトゥデイトがグイグイと後続を引き離していく

追いかけるオジュウチョウサンもじわじわと差を詰め、3コーナー坂路を上ったところではさすがの手応えであっさり前を捕らえるだろうと思われていた

が、粘るアップトゥデイトとの差が一向に縮まらない

必死に追った石神がようやく捕らえたところがゴールだった――

26年ぶりのレコードのおまけが付いたこのレースは日本競馬の障害競走史最高のレースと言っても過言ではないだろう

実況の山本直アナはこれがGI初実況であり終始テンパってるのが伝わってくる

それでも最後ルペールノエルが3着に入ったのをきっちり伝えたのは立派

筆者個人の感想はコチラに書いたので物好きな人はそちらも見ていただくとして、やっぱり今回のランキングでもぶっちぎりの1位に選ばれた

よく良い曲と売れた曲は違うというファンがいるけどまさにこの中山大障害はオジュウチョウサンをメジャーにさせたミリオンヒットだと思う

【投票篇】「オジュウチョウサン ベストレース グランプリ」の話

長きにわたり障害界の覇権を握ってきたオジュウチョウサンも遂に引退…

www.nikkansports.com

ということで本ブログではオジュウチョウサンの活躍を記念して「オジュウチョウサン ベストレース グランプリ」を開催します!

投票フォームはこちら👇

docs.google.com

上位3レースまでを選択して投票してほしい

なるべく主観を排するために最初の中山GJ以降全出走レースを載せているアルゼンチン共和国杯(12着)とか誰が投票するんだよ…

また、年度とレース名だけ書かれても何のレースかわからないと思うので選択肢にリンクを貼らせてもらった

GIの場合はそのままJRAの公式YouTubeの動画に飛ぶが、それ以外の競走は一度JRAのレース結果のページに飛ぶので各自レース動画をクリックするなりして確認してもらいたい

煩雑で申し訳ないがあまり非公式の動画のリンクを貼りたくなかったのでこうさせてもらった

 

投票期限は12/23(中山大障害前日)の23:59まで

あまりに票数が少ない場合はこの記事ごと削除して最初からなかったことにするので是非投票・拡散お待ちしております

 

第140回中山大障害の話

「第140回とだけ言われてもいつのだかわからない」という人もいるかもしれないが、"あの"中山大障害の話。

JRAの企画でも取り上げられたのでこの機会にあの名勝負に水を差して行こうという。

最初に断っておくとドライな表現が多いのでこの2頭や石神騎手のファンには不快に感じる方もいるかもしれないのでご了承ください。

結論から言えば「あれは石神の騎乗ミスでは?」

1. アップトゥデイトのペースは別に速くないのでは

「オジュウに勝つためにアップが無謀とも思えるハイペースで大逃げを謀った」というのが一般に信じられているストーリーだが果たしてそうだろうか

障害競走は平地のように1ハロン毎のラップが出るわけではないのでペースを計るのは難しいが、例えば大竹柵の通過タイムを比較してみる。

例年の通過タイムが1:40から1:41ほど。

例のアップトゥデイトの通過が1:37.7なので速いことには速い。

ただ自身が勝った平成27年の中山大障害のドリームセーリングが1:34.7・アップ自身も1:36.0、その年の中山グランドJはアポロマーベリックが1:36.2・アップが1:36.6で通過しているのだから、アップトゥデイトにとって1:37.7はそうキツいペースではなかったのではなかろうか

2. アップトゥデイトをラクに行かせすぎでは

問題はオジュウを含む後続の通過タイムで1:41.0ほど。

0.6を掛けて1000mの通過に置き換えると、58.6で逃げるパンサラッサをタイトルホルダーが60.6で追いかけてる感じである。いくらなんでもそれはマズくないか…?

アップトゥデイトだって相当な実力馬である。そうズルズルと失速するわけでもない

何故これがマズいかは次とつながってくる

3. オジュウチョウサンに余計な脚を使わせすぎでは

世間のイメージはどうか知らないが、オジュウチョウサンは長い脚を使える馬ではない。ギリッギリまで脚を溜めて最後の障害を跳んだ後に一気に突き抜けるタイプである。これなんかが非常にわかりやすい

んで件の中山大障害の場合は逃げるアップとの差が思ったより開いてしまったため、残り800くらいからダラダラと脚を使わされてしまった。結果的に石神がバシバシ鞭を打ってようやく半馬身差で勝てたわけだが、ちょうど「前王者か」のとこくらいの脚色を比較したら本来もっとサクッと交わせていないといけないはずである。確か上がり3ハロンの非公式タイムはルペールノエルの方が速かったはず

 

以上をまとめるとあの名勝負は石神騎手がやらかしたから生まれたのではないか、というのが今回の説である

ではハイペースで逃げるアップトゥデイトにオジュウチョウサンが食い下がった上でギリギリまで脚を溜めさせたらどうなったのか…?

その結果がこれだ!*1

だから僕はこれがオジュウチョウサンのベストレースだと思っているし、このレースが一番好きだ

*1:ちなみに大竹垣の通過タイムは1:36.0ほど