福島の障害の話

「福島は落馬が多い」とよく言われるが果たして本当だろうか

ということで平成30年度の障害未勝利戦について落馬率を調べてみた

「落馬率」といっても色々な定義が考えられる。一番単純な1レースあたりの落馬頭数、全レース中落馬が起こったレースの割合、延べ出走頭数あたりの落馬頭数について競馬場別の統計を示す

競馬場 レース数 出走頭数 件数 頭数 件数/競走 頭数/競走 頭数/出走数
福島 16 212 8 15 0.50 0.94 7.1%
新潟 19 259 9 11 0.47 0.58 4.2%
東京 6 82 4 8 0.67 1.33 9.8%
中山 5 60 3 5 0.60 1.00 8.3%
中京 18 238 9 13 0.50 0.72 5.5%
京都 5 65 3 4 0.60 0.80 6.2%
阪神 10 122 5 8 0.50 0.80 6.6%
小倉 4 35 1 2 0.25 0.50 5.7%

うわ、微妙~

というか、福島・新潟・中京以外はサンプル数が少なくて議論しづらいし、本当は過去5年分のデータを取って比較するべきなんだろうけど、それはあまりにも面倒くさい

どうやらローカルの中では落馬が多いことは事実っぽいし、何より記事が成立しないので 福島は落馬が多い前提で理由と解決案を考察していくよ*1

 

1. スピードがつきやすい

 1.1. 障害の台数が少ない

 1.2. 障害の難易度が低い

「なんで難易度が低いのに落馬するのよ」と思うかもしれないが、障害の難易度と落馬率はあまり関係ない

考えてみてほしい。重賞で落馬が起こるのは大体最終障害だ*2アップトゥデイトとかタマモプラネットとか。

ヘロヘロになってなんか飛越合ってないなぁと思ってたら案の定…みたいなパターン

むしろ怖いのは障害の高さより馬のスピードの方。スピードに乗ったまま勢いを殺さず飛越する…なんていうのはサナシオンオジュウチョウサンだけにできる芸当で、未勝利馬がそんなことしたらコケます

その点福島は障害が少なくスピードに乗りやすい。2750 mで飛越する障害が7台というのは現在施行されている条件で最も少ないし*3、最初の障害までが推定300 m以上と長い(普通150 m程度)。最初の障害から2号のグリーンウォールまでは推定700 m、ぐるっと回ってラス前の7号から最後の障害までも推定500 mもある。これが福島の最終障害で落馬が多い原因である(キリッ

と偉そうに語ったが、ここまでの話、林満明元騎手がインタビューで答えている

 

2. 障害の難易度が低いので飛越に不安を抱えた馬が出てくる

飛越が危なっかしくても、なまじ平地の脚があれば結果が残せてしまう側面がある

「おいおいお前大丈夫かよ」みたいな飛越の馬は福島ではよく見るが中山ではあまり見ない。逆に「飛越は上手いんだが如何せんズブい」みたいな馬は主場を使ってたりする

 

3. 今までほとんど乗ったことのない関西の騎手が乗り慣れていない

自分で書いておいて何だが、ローカル開催も6年目になるのでこれはほとんどない気がするなぁ

 

長くなったので具体的な解決案はまた次回

*1:データ屋として一番やっちゃいけないやつ

*2:もちろんスタンド前で一番目立つからというのはある

*3:使われていない条件なら中山2700も7台