ローカル開催の話
たまに「障害レースは需要がないから冷遇されている*1」みたいなことを言う人がいるが、それは大きな勘違いである
平成30年度の障害未勝利戦83競走中フルゲートだったのは6割超の52競走
10頭を切ったのはわずかに5競走でそのうち3競走は夏の小倉開催だった
馬主からの需要はめちゃめちゃある
未勝利を勝てなかった馬は①引退させる②地方に転厩③格上挑戦を続ける④入障させる くらいしか選択肢がないわけで、一番期待値が高いのは④、という考えは理解できる
平地未勝利だった馬が障害最強馬になるというシンデレラストーリーをリアルタイムで見せられてたらなおさらねぇ
じゃ何でローカルに追いやられたのかといえば前記事でも述べた通り、乗るやつがいないのである
この状態で東西で障害競走を組むとどうなるか
- 落馬負傷等で休場者が発生するとフルゲート割れせざるを得ない
- 乗れない理由は怪我だけではない。平地騎乗も多い高田や小坂や森は他場で騎乗したい馬がいるかもしれない
- 騎手が限られているので乗り代わりが頻発する。騎乗回数の少なかった騎手は嬉しいかもしれないが「五十嵐から鈴木に乗り代わりになりました」と言われて良い顔をする人は少ないだろう
- 乗り慣れていない馬への騎乗が増えると落馬も増えるかもしれない
「東西で同日にやらなきゃいいじゃん」と思う人もいるかもしれない。別にいいよ、レース数減るけど
需要が多いって言ってるのにレース数減らせるか
断っておくがローカルで施行するのがベストと言ってるわけではない。大分飛越ヤバい馬が新潟や福島でそこそこ通用しちゃってる現状はあまりよろしくない
もう一つ、障害レースは「買う奴は買うし、買わない奴は買わない」という特性を持っているのでローカルに移しても売り上げに影響が少ないだろうとみられた面はある
ちなみに原則ローカル開催なのに冬の小倉でやらない理由は次のとおり
- 美浦から小倉は遠い。多分これが最大の理由
- 小倉の未勝利戦はフルゲートが12頭しかない。障害コースを持ってるがゆえの皮肉
- 積雪で施行できないリスクがある
公式にアナウンスされたわけではないので妄想だが、大方こんな感じ
「年に数レースのためにコース維持してるのアホらしいから障害コース廃止します」という本末転倒の事態になるのが一番危惧していること
*1:あるいは削っても構わない